「歩道の安全」を叶えるのは、サイクリスト!?

昨日、2月9日、赤坂の自転車会館を会場に、第一回目の「自転車研究会」が開催されました。

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これは、いろいろな意味で、注目を集め、これからの社会が抱える問題を解くカギを持つ「自転車」のこれからを考えて行こうというもの。

研究会の委員名簿を見て、少しびっくり。構成が実に多彩なのです。“世界のナカノ”こと、中野浩一氏、ツーキニストの疋田智氏、自転車活用推進研究会の小林成基氏、自転車博物館の中村博司氏らは当然の人事、というところですが、イトーヨーカ堂の執行役員金竹正江氏、生活環境デザイン室の津田美知子氏、さらにサイクリストで知られる、女優の吉本多香美氏が名を連ねています。さらに座長は海洋大学の兵藤哲朗教授。いったい、どんな会になるのでしょうか?

この日は、トヨタ自動車のIT/ITS企画部亘理章部長と、自活研の小林成基氏からの講演の後、ディスカッションが交わされました。

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お二人の講演の中では、欧州での事例が多数紹介されました。交通政策のキモは「いかにクルマをおさえるか」にあるそうで、クルマの進入を禁止するエリアが設けられたり、通行料を取って、クルマの流入を制限している例もあるとのこと。

さらに驚いたのは「ゾーン30」といって、中心市街地を時速30km以下に制限しているケースも少なくないそうです。時速を15-20kmに規定した“歩車共存道路”として「道路を子供の遊び場に戻す」なんてコンセプトもあるそうです。

また、道路での優先順位は、

車いす/ベビーカー
ひと
自転車
バス
タクシー
トラック
乗用車

の順なのだそうです。

日本では、自転車を含め、交通に絡むいろいろな課題の担当省庁も、法律も分散してしまっており、一括する「交通法」がないのも問題と指摘されていました。

欧州では「安全に安心して移動できる権利」が基本となっているとのことですが、これは当然、日本にも通じること。高齢化社会の進行も考慮したとき「歩道を安心して歩ける社会」を作ること、は、すべての人にとって、とても大切なことです。

そうなると、自転車はどう走るの?ということも、当然重要。歩道を歩く人にとって「歩道を走る自転車」は怖い存在です。しかし、日本の現状では、車道に降りた自転車には、自転車を尊重せずに走るクルマの恐怖がつきまといます。

となると

歩行者を脅かさず、かつ自分の安全は確保して走る

これが、自転車の生きる道になりますよね。

 

自転車に関心のある私たちが「自転車が走るべきエリア」を、きっちり示して行けば、クルマのドライバーの認識も、変わりますし、すべての自転車に乗る人たちが、それにならってくれるようになれば、これからの道路事情は確実に変わって来るでしょう。

まず、考えるべきは、すべてのひとたちのために安全を確保すべき「歩道」であり、意識ある自転車乗りたちこそが、社会を変えるカギを握っている、のかもしれません。

新しい視点を与えてくれた研究会でした。次回の開催は3月5日。これから、どんな論点を提示してくれるのか、楽しみです。